コンフィグレータとは

このページでは、CPQの核となる「コンフィグレータ(Configurator)」についてお伝えします。

コンフィグレータとは

「コンフィグレータ」と聞いて何を思い浮かべるでしょうか?
コンフィグレータという言葉は、コンピュータ用語で「構成する」とか「環境設定する」という意味の「configure」から来ています。この「特定の用途のために構成する」という意味から、転じて「製品の見積のための選定を行うツール」をコンフィグレータと呼ぶようになりました。

コンフィグレータという言葉自体はあまり馴染みがないかもしれませんが、コンフィグレータを使ったシステムは意外に身近なところにあります。
例えば、自動車のコンフィグレータ。

最近、特に海外の自動車メーカーのホームページには大抵、自動車の車種や様々なオプションを選ぶページがあります。車種を決めて、グレードを選んで、ボディや内装の色、ホイールなどを選び、さらにオプションの装備を追加していくと金額が見積もられるというものです。カーコンフィグレータと呼ばれているようですが、国内だと見積シミュレーションといった呼ばれ方が一般的かもしれません。

従来は見積をしようと思ったら、カタログのページをめくりながら金額を計算したり、「ある内装のタイプを選ぶとあるシートのオプションがつけられない」といった、欄外やページ下部に小さな文字で書かれている制限事項を確認しながら頭の中で仕様を検討したりといった作業が必要でした。
カタログを見ているだけですと、決める必要のある項目を網羅することが難しいこともあると思います。カーディーラーの担当者といえども全ての金額や制限が頭に入っているわけではないでしょうから、見積を間違ってしまうこともあるでしょう。自動車のような BtoC の製品でも、いざ買うとなると色々と決めなければならないことがあります。

また、パソコンメーカーのオンラインストアでのカスタマイズなどでもコンフィグレータが使われています。解析ソフトのために高スペックのマシンが欲しいといったとき、家電量販店に行くのではなくメーカーのページで、3D データだから CPU はクロックの速いもの、メモリもできるだけ積んで、もちろんグラフィックボードは最強のやつ、といった感じで選ぶのではないでしょうか?

そして表示された金額を見ながら、予算に合わせて少しずつスペックを落としていくという…。
ある意味シミュレーションの一種ですね。

その上、パソコンのような製品は、製品サイクルが短くメモリやハードディスクといった部品の仕入れ値が変わるなど、しばしばスペック変更があります。また部品在庫を減らすために、お買い得商品と銘打って特定の構成の製品を売り出すこともあります。自動車のような年単位で(ユーザーから見ると)仕様が変わらない製品と違って新製品の発売や仕様の構成の変更が多いため、コンフィグレータも頻繁に内容を変える必要があるのが特徴です。

他にもキッチンやシステムバスなどの耐久消費財、携帯電話の料金や保険、旅行パックといったサービスでもコンフィグレータは使われています。

自動車やパソコンの場合はユーザ自身が製品の仕様を選ぶのに使いますが、このような製品ではもう少し制限が複雑だったりバリエーションが多くなるため、工務店の人であったり保険のセールスマンなど、専門の担当者が使うシステムとしてコンフィグレータが使われることが一般的です。