CPQの選び方

CPQ認知の広まりにより、日本でもCPQベンダーが増えてきました。

当然ながら、CPQであればどれも同じということはなく、CPQによって得意不得意があります。

ここでは、CPQを比較する上で意識すべきポイントについて説明します。

コンフィグレーションエンジンの計算能力

複雑な製品構成にも対応可能ですか?複雑な技術計算・ルールにも対応していますか?

コンフィグレーションエンジンによって、複雑な製品構成に対応できるように作られたものと、そうでないものがあります。※コンフィグレーションエンジンについては、「コンフィグレータについて」ページに詳しくアップする予定です。
組み合わせのルールが簡単であったり、製品構成の階層が浅い場合は、比較的簡単なエンジンでも十分使えます。しかし製品構成がとくに複雑な場合は、仕様やルールをCPQに組み込めずに、見積もり作業への負担を改善できなくなってしまう可能性があります。

そのため、CPQ導入の前には、CPQのコンフィグレーションエンジンが、自社の製品構成に対応できる能力を持っているかどうかを、見極める必要があります。

②システム連携やカスタマイズの柔軟性

製造業の見積もり業務は、決して営業部門に閉じたものではありません。オーダーをとり、BOMに展開し、製造して届けるまでの一連の業務は、情報は形を変えながらも上流から下流にながれています。

CPQを使って見積もった仕様情報を、営業だけで利用するのはもったいないことです。製品の仕様情報を、設計・製造のBOMに自動で展開したり、自動で作図できるように情報を繋げると、営業に限らず、設計や調達、製造など関連部門での業務効率化による働き方改善、短納期化、利益率アップの効果はさらに高まります。

また、はじめは自社営業の業務改善が当初の課題だとしても、将来的に設計・製造部門までCPQユーザー部門を展開したり、代理店や海外営業、eコマースの実現などまで範囲を広げる会社様もいらっしゃいます。CPQ選定の際は、将来ありたい姿を見据えながら、連携やカスタマイズの柔軟性も視野に入れるべきだと弊社は考えています。

③マスターメンテナンスの容易性

仕様や品番・価格・ルールを感覚的に整理できるか、プログラミングや専門知識は不要か、十分な確認が必須です。製品仕様の階層が深く、多様なルールがあるほど、マスタをいかに作るかがCPQ運用のカギとなります。CPQ導入時だけでなく、製品リニューアルがあるたびに、マスタの更新が必要です。

CPQのマスターは、プログラミングが必要なもの、エクセルをベースとしたもの、専用の画面で入力するものなど、CPQによってそれぞれです。CPQ運用を続けるあいだ、CPQ慣れした特定の担当者しかマスタを更新できないとなると、属人化してしまい、引継ぎ後にCPQが使えなくなるケースもあり得ます。

できだけ感覚的にメンテナンスでき、出来ればシステムにより矛盾を検知できるようなツールがあれば、マスターメンテナンスの難解さで運用が破綻することを防ぐことが出来ます。

④実績・サポート体制

国内や同業での実績が十分か、日本人スタッフが対応するかをご確認ください。

CPQは、製造業のあらゆる部門を結ぶプラットフォームとなりうるシステムです。CPQパッケージを入れた翌日からすぐに使える、というものではありません。CPQを本稼働するまでには、周辺システムとCPQをうまくつなぎ、製品構成を正しく表現したマスタを作成することが必須です。そのためにCPQ導入のノウハウが重要であり、しっかりしたサポートが得られるベンダーを選んでください。設計工程とCPQの連携を視野にいれている場合は、サポート側のCAD知識の有無もご確認ください。